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うんざりするのは、ここ15年で9人も首相が交代する「イタリア病」だ。小泉首相以外は、平均1年半ぐらいしか続かない。特に「ねじれ国会」になって以降は、みんなが拒否権をもち、何も決まらないアンチコモンズ状態が続いてきた。次の総選挙で民主党が衆議院で第一党になっても、自公で過半数を維持すると、ねじれは変わらないまま再議決もきかない、完全なデッドロックになる。

これはゲーム理論でおなじみのナッシュ交渉で、「痛み」をともなう政策はすべて拒否されるので、みんなの要求を足して2で割るバラマキが常套手段になる。これは政治家にとっては選挙向けに有利になるし、官僚にとっては「補正で*百億円とった」というのは実績になる。コストは国債(最終的には税金)という形で目に見えないので、国民負担にただ乗りすることが与党と霞ヶ関ではWin-Winの解になる。

しかし野党はバラマキの恩恵にあずかれないので、交渉を拒否することによって問題をチキン・ゲームに持ち込む。ここでは絶対に妥協しないと決めた頑固者が勝つから、今回の福田首相のように、弱虫は降りることがナッシュ均衡だ。その意味では彼の行動は合理的で、辞任会見の「野党があれでは誰が首相をやっても同じ」という他人事みたいなコメントも当たっている。

アンチコモンズ社会 - 池田信夫 blog (via ssbt) (via pcatan) (via cxx)

9/3/2008